妊娠中の運動: 妊娠中も体を動かしましょう

妊娠は素晴らしいことですが、ママは不快な症状も経験します。妊娠中の運動は、おなかの膨満感、痛み、不眠症や消化不良などの不快な症状を和らげてくれます。妊娠初期にできる運動や妊娠中に避けたい運動、パンパースがおススメする簡単な妊娠中の運動などをご紹介します。

妊娠中の運動のメリットは?

出産時に必要となる筋肉を鍛えてくれる運動があるのをご存知ですか。妊娠中は運動不足になりがちです。妊娠中に運動をすることで、ママの不快感が和らぎ、出産に備えておしりや下腹部などの筋肉を鍛えてくれてくれると言う嬉しいメリットもあります。妊娠中、心拍を上げるような運動や筋肉を引き締めるための運動を毎日30分ぐらい取り入れ、出産に必要となる筋肉を強化していきましょう。

運動をして健康な妊娠を!

妊娠中の状況はママによって違います。 “健康な妊娠” がどのようなものかと言う定義はありませんが、妊娠中に運動をすることで、妊娠中の理想的な体重を調整できると言う嬉しい効果もあります。パンパースの妊娠中の体重計算 ツールを試してみましょう。妊娠前の ボディマス指数(BMI)を入力して、妊娠中の体重の変化を調べます。 妊娠中は体重が増えていくのは当り前のことです。妊娠前のママの体格に合わせて、適切に体重を増やしていきましょう。ママの体重増加は、成長していく赤ちゃんや羊水、胎盤から構成されます。妊娠中の運動を取り入れることで、適切な体重増加や体力のアップ、出産に備えて筋肉を鍛えることができます。

不快な症状を和らげる

妊娠中、消化不良や体の痛み、筋肉の痛み、手や足のむくみ、疲れやすくなるなどの不快な症状を経験するママもいます。妊娠中に運動をすることで、妊娠中に経験する不快な症状が和らぐと言われています。

  • 消化不良:便秘や胸やけは妊娠中によく見られる症状です。ホルモン の影響で胃腸の動きが鈍ってしまうことが原因と考えられています。消化を促してくれるような妊娠中の運動を試してみましょう。

  • むくみ: 妊娠中は血液中の水分量が増えるので、むくみが生じやすくなります。妊娠中に運動をすることで、手や足のむくみの解消につながると考えられています

  • 疲れと不眠: 妊娠中のママの体はたくさん働いていて、普段よりも疲れやすくなります。また、ストレスやいびき、赤ちゃんが大きくなることによる不快感で、眠れなくなることも。全く休めないと感じるママもいます。妊娠中に無理のない適度な運動を取り入れることで、血液の循環が良くなり体力がアップするので、ママの妊娠中の疲れ 対策にもなります。妊娠中に体を動かすことで気分転換もできますね。

出産に備えましょう

ママの体重が増えるにつれて、骨盤の筋肉やじん帯に負担がかかり、痛みが出てくることがあります。妊娠中に運動をして、筋肉を強化していきましょう。赤ちゃんがおなかの中で成長にするにつれて、ママの負担が増えていきます。妊娠中のママの筋肉も鍛えていきましょう。

妊娠中に適度な運動をすることで、おしりや下腹部の筋肉が鍛えられて、出産への準備ができると言う嬉しいメリットもあります。妊娠後期の最初の頃にブラクストン・ヒックス収縮(前駆陣痛) を経験するママもいます。これは “偽陣痛”と呼ばれるもので、 不規則な子宮収縮をすることで、ママの子宮が出産への準備をしているのです。

まとめ

妊娠中の運動はママの身体にとっても効果的で、痛みや不快感を減らすというメリットもあります。ストレッチ体操や簡単な体操は妊娠中のママの体に嬉しい効果があります。

  • 妊娠中の健康的な体重管理
  • 妊娠中に出てくる痛みを和らげる
  • 体力アップと気分転換
  • むくみの解消
  • 疲れや不眠の解消
  • 筋肉を強化し、出産に備える

 

妊娠中に理想的な運動は?

妊娠中の運動は効果的であることが分かりました。早速、やってみよう、でも、いつから始めたらいいの?、と疑問に思うママもいるでしょう。妊娠中は、避けたほうがいい運動もあります。運動を始める前にまずはお医者さんにも問題ないかを確認するようにしてくださいね。 妊娠中は下腹部や背中、おしりの周りの骨盤底筋群の辺りが痛むことで知られています。これらの筋肉を鍛えてくれる妊娠中の理想的な運動もあります。ジムに行かなくても自宅でできる運動を探しているママは、下にご紹介するお家でできる妊娠中の運動を試してみましょう! お家でできる妊娠中の運動には、ヨガで使うバランスボールが必要なものもあります。

アドバイス

ヨガで使うヨガボールやバランスボールをご存知ですか。ボールを使った運動が陣痛を促す と言うことを聞いたママもいるかもしれませんが、これは科学的な根拠のない話だと言うことを覚えておいてくださいね。バランスボールを使った妊娠中の運動を考えているママは、危険な動きは避けて、ゆっくりとした動きの運動をするようにしましょう。 

妊娠中の腹筋運動

妊娠中のママや過去に妊娠していたママは、妊娠で膨らんだおなかで座るだけでも大変、と思ってるかもしれません。でも、座っているだけだと、おなかの中の赤ちゃんが成長するに従いスペースが必要となり、下腹部の筋肉がゆっくりと伸びてくるので、筋肉に負担がかかるようになります。 妊娠中の腹筋運動はママの体の負担を和らげ、痛みなどを抑える効果があると言われています。また、下腹部を強化するための妊娠後の運動としてもおススメです。おススメの妊娠中の腹筋運動を下にご紹介します。

  • 四つん這いの姿勢で: 体に負担をかけないで、四つん這いの姿勢で腹筋を鍛えます。妊娠初期におススメの運動です。

    • 四つん這いになって、足や手を肩の広さに広げます。

    • 背中を真っすぐにしましょう。

    • 深く息をして、ゆっくりと息を吐きながら、下腹部を引っ込めます。腹筋を背中に持って行くような感じでやってみましょう。

    • 5回繰り返しましょう。

  • 妊娠中のヨガボール(バランスボール)を使った運動:バランスボールを使って、下腹部を鍛え、バランス感覚を改善する運動です。

    • バランスボールの中心に座ります。背中を真っすぐにして座り、足はしっかりと床につけましょう。

    • おへその辺りをへこませ、腹筋を使って背中の方に持って行きましょう。.

    • 呼吸を整えながら真っすぐに座り、片足を上げます。反対側の腕を上げます。

    • 数秒、そのままの姿勢で。

    • 体を元に戻し、4~6回ほど繰り返しましょう。

  • サイドプランク:妊娠初期に運動を始めてみようと考えるママは、サイドプランクに挑戦してみてはどうでしょうか?下腹部の筋肉の強化に最適なプランクですが、おなかが大きくなるにつれて難しくなってくるというデメリットがあります。

    • 横向きに寝てみましょう。腕を使い、体を持ち上げます。

    • 肩が腕のすぐ下に来るようにして体を支え、足は床にまっすぐに伸ばします。

    • そのままの姿勢で数秒待ちます。ゆっくりと身体を下に降ろしましょう。

    • 5~10回繰り返し、反対側でやってみましょう。

  • 壁押し運動: 体幹トレーニングとしては最適ですが、大きなおなかでやるのは簡単ではありません。妊娠中の体幹トレーニングとして、 壁押し運動がおススメです。

    • 壁を向いて立ちます。手が壁に平らについて、腕が真っすぐになるまで壁に体を傾けていきましょう。

    • 手と足は肩と同じ幅に広げます。

    • 腹筋を使い、腕をゆっくりと曲げていきましょう。顎が壁につくまで、胸を下げていきましょう。

    • 1~2秒、このままの姿勢にして、腕を真っすぐにしましょう。

    • 5~10回、繰り返します。

関連する記事

健康的な妊娠
マタニティヨガ: 知っておきたいこと

妊娠中に背筋を鍛える運動

妊娠中期になると背中に痛みを感じるママもいます。特に、背中の下部に痛みを感じるママが多いです。子宮が大きくなって位置が変わること、下腹部の筋肉が伸びること、体重の増加やホルモンの変化が原因だと言われています。妊娠中の体の変化で筋肉が負荷に弱い状態になっていて、関節に負荷がかかることで、背中に痛みが出てくると考えられています。 負担の少ないストレッチ以外に、妊娠中に背中の筋肉を鍛える運動をまとめました。

  • 肩のストレッチ:背中の痛みには、ストレッチが有効だと考えられています。ヨガのバランスボールが、妊娠中の腰痛を優しく和らげてくれます。

    • バランスボールを前にして、膝立ちになります。両手でボールの両側を掴みます。

    • 下を向いたままでボールを前に転がし、おしりで座りましょう。

    • 背中を十分に伸ばした状態で、数秒、そのままの姿勢で止まります。

    • 膝立ちの状態に戻り、何度か繰り返しましょう。

  • 後屈:妊娠後期になると、背中に痛みが出て、これが長い間続くことがあります。おなかが大きくなると、前かがみになってしまいますね。腰や背中をゆっくりと後ろに反らせる後屈を試してみましょう。

    • 足を広げて真っすぐに立ちましょう。手のひらをヒップの後ろ側にあてます。

    • 15~20℃ぐらいの角度で、ゆっくりと軽く後ろに体を反らせていきましょう。

    • 20秒ほどそのままの姿勢を保ち、体をゆっくりと真っ直ぐに戻しましょう。

    • 5回ほど繰り返しましょう。

  • 座ったまま腰をねじるストレッチ:妊娠中の背筋を鍛える運動 です。筋肉のストレッチや筋肉を整えることができるので、理想的な運動です。

    • あぐらをかくようにして、床に座りましょう。

    • 手を反対の足か膝の上に置き、ゆっくりと腰を足の方向にねじります。

    • ねじったままの姿勢を数秒、保ちましょう。

    • 体を元に戻し、次は反対側にねじります。5~10回、繰り返しましょう。

  • バックプレス:妊娠中は姿勢が悪くなりがちです。また、背中にかなり負担もかかっています。バックプレスのストレッチを試してみましょう。背中の痛みの軽減に良いと言われています。

    • 壁を背中にして真っすぐに立ちます。足は肩幅位に広げます。かかとは壁から3~5㎝ほど離しましょう。

    • ママの背中と壁の間には少しの隙間があります。隙間を埋めるように背中を壁に真っ直ぐにつけて、数秒、そのままの姿勢でいます。

    • 体を元の位置に戻し、5~10回ほど繰り返します。

妊娠中に骨盤底筋群を鍛える運動は?

出産時、骨盤底筋や神経、靭帯は大なり小なりの損傷を受けます。妊娠が進むと、骨盤の痛みを感じるママは多くいます。ホルモンの作用で、出産に備えて靭帯が緩むのが原因です。骨盤底筋や下腹部の筋肉を鍛えることで、痛みが緩和すると言われています。 妊娠中に骨盤底筋群を鍛える運動をすることで、痛みが軽減すると言われています。

  • ケーゲル体操: 子宮、膀胱、小腸および直腸を支える骨盤底筋を鍛えるには、ケーゲル体操. を試してみましょう。場所や時間を問わずに、いつでもできる体操です。妊娠初期の運動としてお勧めです。

    • おしっこを止めるように肛門と膣をギュッと閉めてみましょう。

    • 10秒間締めたままで、その後は緩めてください。

    • 10~20回、繰り返しましょう。1日に3回ぐらいから始めましょう。

  • 腰のストレッチ:バランスボールを使い腰の周りの筋肉を伸ばすことで、骨盤の痛みを和らげます。

    • バランスボールの真ん中に真っ直ぐな姿勢で座ります。肩幅より広く足を広げて、腹筋を使いながら、足を床に真っ直ぐにつけます。

    • 片方の腕を頭の上に上げ、反対側に体を傾けます。

    • 3筋肉を使いながら、背骨は真っすぐに保ちましょう。体の側面が伸びるのが感じられるでしょう。

    • 反対側にも体を傾け、4~6回ほど繰り返しましょう。

  • ウォールスライドエクササイズ :ヨガのバランスボールを使います。太もも、おしりや腰などの下腹部を鍛えるのにおススメの運動です。

    • バランスボールを壁につけて床におきます。おしりや背中の下部を壁にして真っすぐに立ちましょう。

    • 足を床につけて腰幅位に広げます。ゆっくりと足を曲げて、壁をすべる感じでゆっくりと座り込みましょう。

    • 足が90度ぐらいになるまで座り込み、その後は上に戻っていきます。

    • 5~10回ほど繰り返しましょう。

  • 骨盤傾斜:妊娠中に骨盤傾斜運動を試してみましょう。骨盤底筋と下腹部の筋肉強化が期待できます。ここでは、妊娠中にもできる安全な運動のバージョンをご紹介します。

    • バランスボールに座り、足床にしっかりとつけて、肩幅より少し広めに開きます。

    • ゆっくりと後ろにもたれながら膝を前に押し出し、おしりを床から上げます。

    • 数秒間そのままの姿勢をキープし、元に戻します。

    • 5~10回ほど繰り返しましょう。

妊娠中にやってみたいその他の運動は?

ここまではある特定部分の筋肉を鍛えるのに理想的な運動をご紹介しました。この他にもおススメの妊娠中の安全な運動があります。

  1. ウォーキング: 全てのママが運動好きと言うわけではありませんね。体に負担のない運動を考えているママは、まずはウォーキングから始めてみてはどうでしょう。関節の負担にもならず、お家ででも簡単にできる運動です。

  2. エアロバイク: お家やジムに設置されたサイクリングマシーンは、関節やじん帯に負担をかけない有酸素運動なので、妊娠中の運動に最適です。自転車は転倒する恐れがあるので、エアロバイクを使って運動しましょう。

  3. 水泳: 水泳をやってみよう、と思うママは多いでしょう。水中では浮力で筋肉や関節にかかる負担が少ないので、効率的に運動ができます。また、水の中にいると気持ちがいいですし、足のむくみにも効果があります。

  4. マタニティヨガやピラティス:マタニティヨガやピラティスは、体の柔軟性やバランスを整えるだけではなく、間接に大きな負担をかけずに筋肉を鍛えてくれる理想的な運動です。ゆっくりとした呼吸や瞑想を意識することでリラックス効果もあり、ストレスも軽減されます。激しいヨガやピラティスの運動もあります 妊娠中の安全のために、ママが妊娠中だと言うことをインストラクターに必ず伝えましょう。

  5. 太極拳:ゆっくりとした動作で動きをコントロールする太極拳は、ストレスを軽減するといわれています。足腰の筋力を鍛え、バランス感覚や柔軟性を養ってくれます

アドバイス

ヨガや太極拳の呼吸法や瞑想を出産時にも試してみましょう。ゆっくりと深呼吸することでリラックス効果があるだけではなく、おなかの赤ちゃんに集中することができます。また、出産時の痛みを和らげる嬉しい効果があります。

妊娠中に避けたほうがいい運動は?

妊娠中は、これまでにご紹介した妊娠中の運動であれば、安全なので問題ありません。でも、妊娠中の運動はやはり不安、安全な運動だけをしたい、妊娠中に避けたほうがいい運動はある?と疑問に思うママもいるでしょう。 妊娠中の運動を始める前は、運動の種類や妊娠時期に関係なく、自分だけの判断では行わないようにしましょう。ママの妊娠状況や体調によっては、安全な運動でもやらないほうがいい場合もあります。運動を始める前に必ずお医者さんに相談して、許可を得てから始めるようにしてくださいね。以下のような症状がある妊娠中のママは、必ずお医者さんに相談してから、運動を始めるようにしましょう。 また、おなかを押さえたり、転倒したりするリスクから、妊娠中は避けたほうがいい運動もあります。 スピードが出たりするような激しい運動は避けましょう。転倒したり、ケガをしたりするリスクがあります。

まとめ


運動の種類や妊娠時期に関係なく、勝手に自分だけの判断で妊娠中に運動をしないようにしましょう。ママの妊娠状況や体調によっては、安全な運動でもやらないほうがいい場合もあります。妊娠中の運動を始める前に必ずお医者さんに相談して、許可を得てから始めるようにしてくださいね。 

よくある質問

妊娠が判ったらすぐにでも始めることができます。妊娠中に運動をすることで嬉しい効果がたくさんあります。出産に必要な筋肉を鍛える運動もあります。妊娠中に運動をする前には、必ずお医者さんに相談するようにしましょう。

おわりに

初めて妊娠したママにとっても、妊娠の経験豊富なママにとっても、妊娠中に運動をすることで、妊娠中に経験する痛みが和らぎ、ママの体の出産への準備を促すと言う嬉しい効果があります。ここでご紹介した妊娠中の運動をできるだけ毎日の生活に取り入れてみてくださいね。

出産を終えたママやこれから運動を始めようと考えているママは、ご紹介した妊娠中におススメの運動を産褥体操 に取り入れてみましょう。出産後の産褥体操にも妊娠中の運動と同じぐらいに嬉しい効果があります。

本記事の内容について
本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。また、掲載された内容につきましては十分な注意を致しておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。 診断や治療法につきましては、必ず 医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。