赤ちゃんのうつ伏せ寝について知っておきたいこと

赤ちゃんのうつ伏せ寝はよくないと聞いたけれど、どうして?赤ちゃんが寝ている間にうつ伏せ寝になってしまったら?いつからうつ伏せ寝で寝かせてもいいの?赤ちゃんのうつ伏せ寝についてご紹介します。

赤ちゃんのうつ伏せ寝はどうしてダメなの?

厚生労働省は、赤ちゃんが1歳になるまでは仰向けの姿勢で寝かせることを奨めています。うつ伏せ寝の赤ちゃんが死亡する主な原因には窒息事故、乳幼児突然死症候群(以下、SIDS)、生まれつきの病気によるものがあります。仰向けで寝ていても、うつ伏せで寝ていても、 SIDSが起こる可能性はあるのですが、うつ伏せ寝のほうがSIDSの発生リスクが高まると言う研究報告があります。赤ちゃんが1歳になるまでは、うつ伏せ寝ではなく、仰向けで寝かせるようにしましょう。赤ちゃんを寝かせる時にうつ伏せ寝にしないほうがいい理由を下にまとめました。

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窒息するリスクがある

首がすわる前の赤ちゃんは首の力がまだ弱いです。赤ちゃんがうつ伏せ寝をすると、顔がずっとふさがれている状態になり、窒息死につながる可能性があります。生後1年に満たない赤ちゃんの不慮の事故死では、窒息が死因の多くを占めています。その中でも、赤ちゃんが寝ている時の窒息が多く発生しているので、特に注意が必要です。首が座る前の赤ちゃんは何かあった時に苦しくても、自分で首を動かすことがまだできません。首がすわっていなくて寝返りもできない赤ちゃんをうつ伏せで寝かせるのはやめましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の恐れがある

令和5年のデータによると乳幼児48名が乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなっています。これは乳児期の死亡原因としては第5位となっています。SIDSの原因ははっきりとはわかっていないのですが、早産児や低出生体重児に多く見られる、寒い冬に起こりやすい、うつ伏せ寝の時に多いという報告があります。SIDSは、それまで元気だった赤ちゃんが何の予兆や既往歴もないまま、眠っている間に突然に死んでしまう原因のわからない病気で、窒息などの不慮の事故とは違います。うつ伏せ寝から仰向けに戻ることのできない生後6ヵ月前の赤ちゃんに多く見られることから、この時期の赤ちゃんには特に注意が必要です。まれに1歳以上でもSIDSが発症することがあります。

赤ちゃんはいつからうつ伏せ寝ができる?

赤ちゃんの成長や発達状況によりますが、うつ伏せから仰向けへの寝返りができるようになったら、赤ちゃんをうつ伏せで寝かしてもいいでしょう。首が座って寝返りができるようになる生後6ヵ月頃になると、仰向けで寝かせていても自分で寝返ってうつ伏せ寝になることもあります。この頃にはSIDSのリスクは減ってきますが、厚生労働省は1歳になるまでは仰向けの姿勢で寝かせることを奨めています。基本、1歳になるまでは、赤ちゃんがうつ伏せ寝の状態になって寝ていれば、仰向けに戻してあげましょう。まだ自由に動けない赤ちゃんがうつ伏せ寝にならないように注意しましょう。

赤ちゃんがうつ伏せ寝をする理由

小さな赤ちゃんはうつ伏せで寝ると、呼吸や心拍が落ち着くと考えられています。ママのおなかにいた時の姿勢に似ているので、安心しているのかもしれないですね。

新米ママ・パパへのアドバイス

赤ちゃんが寝ているから安心、少し目を離しても大丈夫だろう、と考えるママパパは多いかもしれません。でも、SIDSは睡眠中に起こります。寝ている間に転落や窒息事故が起こることもあります。赤ちゃんの発育に合わせて、赤ちゃんの眠る環境を整えていくことが大切です。パンパースアプリは赤ちゃんのお世話だけでなく、赤ちゃんの安全な睡眠環境などの役立つ情報を子育てを頑張るママパパにお届けしています。

 

赤ちゃんがうつ伏せでしか寝ない時は?

どうしても、うつ伏せ寝でしか寝てくれない赤ちゃんもいるかもしれません。うつ伏せ寝で寝ていても顔が横を向いている、ちゃんと呼吸をしているかを定期的に注意する、固めの布団を使う、顔や身体の周りに枕、ぬいぐるみやタオルなどの顔を覆う可能性があるものを置かない、厚着をさせないことに注意していれば、問題はないでしょう。但し、赤ちゃんがうつ伏せで寝ている時には、決して一人にしないように、側で見守ってあげましょう。

うつ伏せ寝の危険を回避するためにできること

赤ちゃんを仰向けで寝かせても、寝ている間にうつ伏せ寝の姿勢になってしまっていることがあります。赤ちゃんが寝ている間の不慮の事故を減らすために、赤ちゃんをうつ伏せ寝させる前に知っておくべきことをまとめました。以下のことに注意しましょう。

固めのベッドを用意する

赤ちゃんが眠っている間にマットレスに沈み込んで窒息することがないよう、 アイロン台や畳ぐらいの固さの寝具を使うのが良いと言われています。ふかふかの掛布団も赤ちゃんの口や鼻をふさいで窒息につながるリスクがあります。顔にかぶることがないよう、赤ちゃんが払いのけることができる程度の軽さのものを使ってください。シーツはたるまないよう、しっかりとフィットしたものを使いましょう。

クッションやぬいぐるみはおかないようにする

赤ちゃんは眠っている間も動き回ります。睡眠中の窒息事故には特に注意が必要です。寝ている間に赤ちゃんの口や鼻がふさがって窒息しないように、敷布団、クッションや枕、ぬいぐるみなどの柔らかいものはベッドの周りには置かないようにしましょう。よだれかけの紐が赤ちゃんの首に巻き付くリスクもあります。

厚着で寝かせないようにする

統計ではSIDSの多くが寒い時期に発生しています。赤ちゃんを暖かくしすぎることでSIDSのリスクが高まる可能性について報告があります。また、大きすぎる服を着せたり、厚着をさせたりすることで赤ちゃんが寝返りを打てない可能性も考えられます。赤ちゃんが汗をかいている場合は、暖かくしすぎと考えた方が良いかもしれません。

その他、赤ちゃんが眠る時に気をつけたいこと

赤ちゃんが眠る時には大人用ベッドではなく、ベビーベッドに寝かせましょう。赤ちゃんが転落しないようにきちんと柵をして、赤ちゃんの頭や身体が挟まれないように、ベッドと周囲に隙間を作らないようにします。ベッドは違っても、赤ちゃんに何かあった時にすぐに気がつけるように同じ部屋で寝ましょう。赤ちゃんの転落防止に便利なベッドガードですが、窒息リスク回避の観点から、消費者庁は大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードの使用は生後18ヵ月以降からと注意喚起しています。ベッドとベッドガードの間に挟まって出られなくなる、過去には窒息による重大事故の報告もあります。対象月齢や赤ちゃんの成長を確認してから、使用するようにしましょう。寝かしつけの時に、添い寝をして意図せず寝込んでしまう、また同じ寝具で就寝している際に大人の体や腕で圧迫してしまうリスクもあります。赤ちゃんはママやパパとは別のベビーベッドで寝かせましょう。赤ちゃんとの添い寝についての記事も参考にしてくださいね。

お医者さんや専門家に相談する

小さく生まれた赤ちゃんや呼吸器に問題のある赤ちゃんは、うつ伏せ寝にすると呼吸や心拍の状態が落ち着きます。うつ伏せ寝の方が安定してよく寝られるということも少なくありません。特に寝返りしてうつ伏せ寝になる赤ちゃんは、仰向けに戻すとぐずったり眠れなかったりすることも少なくありません。うつ伏せでしか眠ってくれない赤ちゃんについては、お医者さんや専門家に相談しましょう。

眠っている赤ちゃんの状態が分かるようにする

生後5~8ヵ月頃には多くの赤ちゃんは寝返りができるようになっていますが、基本、1歳になるまでは、寝かせる時は仰向けに寝かせましょう。うつ伏せ寝で問題になるのは、寝返りができるようになった赤ちゃんが自力で仰向けに戻ることができず、窒息してしまうという状況です。うつ伏せ寝じゃないとどうしても寝てくれないという赤ちゃんもいるかもしれません。このような場合には、眠るベッドは違っても赤ちゃんに何かあった時にすぐに気がつけるように、同じ部屋で寝ましょう。また、ちゃんと息をしているかどうか定期的に確認して、赤ちゃんの状態に気を配りましょう。

よくある質問

寝ている間にうつ伏せ寝になってしまうことがあります。うつ伏せ寝になったら、起こさないように仰向け寝になおしましょう。寝返りするようになった赤ちゃんが自分で寝返りしてうつ伏せ寝になる場合は、問題はありません。

おわりに

毎年、何人かの赤ちゃんがSIDSで亡くなっています。亡くなった赤ちゃんのほとんどがまだ1歳未満で、時期は生後4~6ヵ月に集中しています。SIDSが発生する原因はまだはっきりと判っていません。赤ちゃんが眠っている間にSIDSの発生や窒息死をさけるために、1歳になるまではうつ伏せ寝の状態で寝かせるのはやめましょう。今回の記事でご紹介したポイントに気をつけて、赤ちゃんがぐっすり眠ることのできる安全な睡眠環境を作ってあげましょう。

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