双子の妊娠について知っておきたいこと

妊娠したと知った時、喜びやら不安やら、複雑な感情が出てくるものです。 双子の妊娠は単胎妊娠よりも考慮しなければならない点が複数あります。現在妊娠をしている方の中には、双子を妊娠した戸惑いや驚き、喜び、無事に育てられるのかなどの不安を感じている人もいるのではないでしょうか。 そんな色々な感情が入り混じる中、赤ちゃん達はすでにママのおなかの中で成長を始めています。 多胎妊娠の場合は妊娠のリスクやママの身体へのリスク、出産時期など、単胎妊娠とは違うことがいくつかあるため、一緒に確認していきましょう。

双子の妊娠:妊娠初期

双子を妊娠した場合も、妊娠初期におっぱいの張り疲労吐き気生理の遅れなどの単胎妊娠と同様の一般的な妊娠初期の兆候を感じます。 妊娠検査薬で妊娠を確認したら、産婦人科などのお医者さんに予約をいれましょう。心拍が2つ聞こえたら、双子を妊娠していることが判ります。

妊娠初期の最初の数週間、ママは特に体の変化を感じないかもしれません。でも、おなかの中で双子の赤ちゃんは、心臓や脊髄、頭部、手足を持つ小さな胎児にそれぞれ成長しています。

双子を妊娠した時の赤ちゃんの発達を以下にまとめました。

妊娠3週目

妊娠3週目を過ぎると、妊娠の兆候を感じ始めるママもいます。 双子を妊娠した場合の初期症状は、通常の妊娠症状と似ていますが、さらに強く症状を感じることがあります。一卵性か二卵性かに関わらず、ママのおなかの中では多くの変化が起こっています。

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  • 一卵性双生児: 精子が卵子を受精すると、受精卵となり、赤ちゃんの性別や身体的特徴を決定する46本の染色体を持ちます。 一つの受精卵が妊娠初期に二つに分かれ、それぞれが別々の胚に成長すると、一卵性双生児になります。同じ受精卵から生まれるため、ほぼ100%遺伝情報が同じで性別、血液型や容姿も同じです。

  • 二卵性双生児: 二つの卵子が異なる精子によって受精し、二つの受精卵ができた場合、これらの双子は同一ではなく、性別や血液型は同じこともあれば、異なることもあります。ほぼ50%遺伝情報が同じです。

妊娠4週

妊娠4週目頃に着床が起こります。この時に妊娠初期の症状の一つである着床出血を経験することがあります。

  • 子宮への着床: 受精後8~9日目頃、急速に分裂する細胞の塊である胚盤胞が子宮内膜に潜り込みます。双子の妊娠の場合、それぞれの胚盤胞が胚へと成長します。

  • 胎盤の発育開始: 着床後に胎盤の形成が始まり、妊娠12~15週目頃に胎盤が完成します。 胎盤は全妊娠期間を通じて、赤ちゃんに栄養や酸素を送ったり、赤ちゃんの老廃物をママの血液に戻したり、赤ちゃんを有害な物質から守る役割を果たします。一絨毛膜双胎は2人の赤ちゃんが1つの胎盤を共有した状態です。

妊娠5週~8週

妊娠5~8週目になると、妊娠の兆候として吐き気や嘔吐などの、いわゆるつわりを感じることがあります。つわりの原因ははっきりとは判っていないのですが、妊娠ホルモンであるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が原因と考えられています。

つわりはママにとって非常に不快な症状ですが、妊娠が順調に進んでいる証と考えることで乗り切りましょう!この時期も赤ちゃん達はママのおなかの中で発達をしています。

  • 脳と脊髄の形成: 妊娠6週目頃に赤ちゃんの脊髄と脳が神経管から発達し始めます。

  • 小さな腕と脚の形成: 妊娠8週目までにこれから手や足となる部分ができてきます。妊娠9週目頃に手足に指が形成されます。

  • 心拍が2つ: 赤ちゃんの心臓を形成する組織がこの時期に発達し始めます。超音波検査で心拍が2つ確認できたら、ママは双子を妊娠しています。

  • 主要な臓器の形成: 妊娠8週目の終わりまでに、脳、心臓、肝臓、胃、腎臓などの赤ちゃんの主要な臓器がすべて発達し始めます。

まとめ 

妊娠初期には、着床出血や生理が来ない、吐き気、疲労、おっぱいの張りなど、単胎妊娠と同じような症状を経験します。妊娠初期のおなかの中の赤ちゃんのは手足、脳や心臓、目や鼻などの主な器官が形成され始めます。

 

双子 お腹の中:妊娠9週〜13週

妊娠初期の最後の週に入ると、あなたの双子のお腹の中で何が起こっているのかを知って驚くかもしれません。

  • 手足の指や爪が形成される:指が発達し始め、足の指も形作られます。妊娠12週目までには、指の爪も生え始めます。

  • 顔立ちが整う: 妊娠12週目になると、双子の顔は幅が狭くなり、よりはっきりとした輪郭になります。また、まぶたができ、鼻や目、上唇が形成され、さらに発達した顔立ちになります。

  • 歯の芽が形成される:生まれてから歯になる部分は、歯茎の下に歯胚としてすでに存在しています。

まとめ 

妊娠初期を週ごとに過ごす中で、[ 着床出血 ]、生理の遅れ、[ 吐き気 ]、疲労、おっぱいの張りなどの一般的な妊娠症状を経験するでしょう。赤ちゃんたちは四肢を形成し、顔立ちを発達させ、指や足の指を生やし、脳や脊髄、その他の器官を形成するなど、一生懸命成長しています!

 

双子の妊娠:妊娠中期

双子妊娠の場合、妊娠中期になるとお腹の大きさがさらに目立つようになります。 ママのおなかの中にいる赤ちゃんの数が多いので、単胎妊娠よりもつわりなどの不快感や疲労を感じるかもしれません。しかし、これは普通のことです。

妊娠中期の多胎妊娠の赤ちゃん達の発達と症状を以下にまとめました。

妊娠18週~22週

妊娠中期は双子の赤ちゃんにとっても成長で忙しい時期です。 体重が増えて活発になります。 この時期にママは[ 胎動を感じる ]ようになります。 この時期までは赤ちゃんの発達は単胎妊娠とほとんど変わりません。ママのつわりや疲労が和らぎますが、単胎の場合の安定期に当たる期間は多胎妊娠の場合にはほとんどないと考えてよいでしょう。

  • 四肢が動く: 赤ちゃんたちは腕や脚を動かし始めていますが、ママが感じるのはもう少し先でしょう。

  • 骨が硬くなる: 赤ちゃんたちの骨が硬くなり始めます。特に頭部や大腿骨などの長い骨が発達します。

  • 目が動く: 妊娠16週目には、まぶたの裏でゆっくりと目を動かせるようになります。眉毛やまつげもこの時期に形成されます。

  • 肌に胎脂ができ始める: 羊水から赤ちゃんの肌を守る脂、胎脂を形成し始めます。

まとめ 

妊娠中期の初めには多胎妊娠のママのつわりや疲労が和らぎます。 赤ちゃんの骨が硬くなり、腕や脚を動かし始めます。ママのおなかが急に大きくなり、おなかの張りを感じやすくなることも。

 

妊娠23週~27週

この時期、ママが新たな痛みや不快感を感じることがあるかもしれません。 また、高血圧や貧血などの合併症に注意しましょう。 多胎妊娠の場合は早産になりやすいので、体に負担の多い運動は勧められません。 でも、大きくなるおなかを支える背中や肩の筋肉をほぐしたり、むくみやすくなる下肢の血液循環をよくすることはとても大切です。 お医者さんの許可を得た上で、ストレッチを試してみましょう。不快感が緩和されるはずです。

  • 親指を吸う: 吸う反射が発達し、親指を吸うことがあります。

  • 活動的になる: 単体妊娠と同じく、多胎妊娠の赤ちゃんも妊娠20週目から胎動を感じるようになると言われています。 おなかの中の赤ちゃんにも個性があるので、この時期に胎動が感じられないからと言って心配しすぎることはありません。やがてキックやパンチのようなパワフルな動きを感じるようになるでしょう。

  • 音が聞こえるようになる: 妊娠18週目の赤ちゃんは外の世界の音が聞こえるようになります。頭の側面に耳が現れます。

  • 毛が生えてくる: 20週目を過ぎると、赤ちゃんの全身に細かい産毛である胎毛が生えます。眉毛や頭髪も生えてきます。

まとめ 

妊娠中期も多胎妊娠の赤ちゃんはママのおなかの中で成長を続けます。親指を吸ったり、動いたり、毛が生えてきたり、音に反応したり、肺の重要な発達を続けたり、指紋を形成したりします。

 

双子の妊娠:妊娠後期

妊娠後期になるとママのおなかはさらに大きくなります。 おなかが苦しくて眠りづらくなることもあります。多胎妊娠の場合、単胎妊娠よりもリスクが高いことから、妊娠36~37週目頃に管理入院が必要になることが多いです。

ママと一緒に赤ちゃん達も出産に向けて準備を進めています。 妊娠後期になると、体重の増え方は単胎妊娠の赤ちゃんに比べてゆっくりとなります。多胎妊娠の場合、帝王切開や早産の可能性が高まります。

多胎妊娠の場合、ママの状態や赤ちゃんの発育状況を見ながら、妊娠36~37週前後に出産となります。 出産が通常よりも早いので、事前の準備がとても大切です。 必要なベビー服、ベビーベッドなどのベビー用品は二人分必要ですね。 赤ちゃんのお世話に必要なおしりふきやおむつの数も倍になります。 パンパースのすくすくギフトポイントのアプリをダウンロードしてポイントをゲット!家族みんなが喜ぶギフトに交換しましょう。妊娠後期の双子の赤ちゃんはどのように発達していくのでしょう?以下にまとめました。

まとめ 

多胎妊娠の場合、妊娠後期は特に注意が必要です。 双胎妊娠の早産率は約 50%、つまり約半分が早産になるという報告があります。 赤ちゃんが早産で生まれると、低出生体重児となり集中治療室に入院することとなり、多くのサポートが必要となります。 妊娠の進み具合が順調であれば、経腟分娩でも帝王切開でも妊娠37週以降を目標にします。 双胎妊娠では妊娠後期のママの身体や胎児の状態の悪化が単胎妊娠よりも早くみられることがあり、予定日よりも早い出産となります。通常、選択的帝王切開は妊娠38週に予定し、経腟分娩予定のママは妊娠38週までに自然陣発がなければ誘発分娩を勧められます。

 

妊娠28週目

妊娠28週目にママに動悸や息切れの症状が現れることがあります。 また、ママがおなかの張りを感じやすくなります。 普段からおなかの張りを観察しておくことが大事です。 変化を感じたら、すぐにお医者さんに連絡しましょう。おなかが張ったら、無理をせずに横になって休みましょう。

  • 目を開けたり、つぶったり: 赤ちゃんたちが目を開けたり、つぶったりするようになります。光の変化を感じることができますが、ほとんどの時間はまぶたを閉じて眠っています。

  • 脳が成長する: この時期、赤ちゃんたちの脳は急速に成長しています。脳の一部が体温をコントロールできるようになり、羊水の温度だけに頼らなくても体温を維持できます。

  • 主な器官の完成: 妊娠32週目までに、赤ちゃんたちはほとんどの発達を終えています。

妊娠33〜36週目

多胎妊娠の場合、早産となる可能性が高いです。 平均の多胎妊娠の出産週数は妊娠36〜37週目です。赤ちゃん達と会えるのはもうすぐです。

  • 肺が呼吸の準備をする: 赤ちゃんたちの肺はほとんど完成しています。最初の呼吸の準備をしています。

  • 体重増加: 妊娠の最後の数週間も体重を増やし続けます。多胎妊娠の赤ちゃん達は単胎児よりも小さく生まれることが多く、平均体重は約2130~2600gです。

  • 出産に向けた準備: ママの多くは妊娠37~42週目で出産しますが、多胎妊娠の場合は妊娠36週目での出産も珍しくありません。おなかの張りなどに注意し、変化に気がついたらお医者さんに連絡をしましょう。

まとめ 

双子を妊娠している場合、早産になる可能性が高いので、妊娠後期の期間は短くなります。妊娠34週目頃に分娩方法と入院時期をお医者さんと決定することが多いです。

よくある質問

妊娠6~8週目頃の超音波検査で双子を妊娠しているかどうかを確認できます。 心拍が2つだと双子を妊娠していることになります。

まとめ

思いがけず双子を妊娠したと知り、驚きや戸惑いを感じることもあるでしょう。 今回は双子の妊娠症状や週ごとの成長をご紹介しました。 多胎妊娠は単胎妊娠と比べて妊娠の進み具合が違います。 また、出産後も経済的な不安やお世話に対する不安もあるでしょう。 各自治体などで、多胎妊婦や多胎児家庭へのさまざまな支援を行っています。これらをあらかじめ調べて、安心して妊娠期間を過ごしましょう。

多胎妊娠は単胎妊娠と大きくは変わりませんが、おなかの出方が異なったり、疲れやつわりなどが感じやすくなったり、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になるリスクが単胎妊娠より高くなることがあります。また、子宮が大きくなるので早産になる可能性が高いです。

多胎妊娠の場合、

  • 妊婦健診の回数が増える

  • 早産になる可能性が高い

  • 出産後に赤ちゃん達が入院する可能性がある

  • ママが妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になるリスクが高まる

驚いたり、戸惑うことの多い双子の妊娠ですが、喜びと育児の大変さも2倍になりますね。 妊娠中に多胎妊娠や育児についての情報を調べて、慌てないようにしておきましょう。 多胎妊娠は早産で生まれることが多いです。 妊娠後半に入院したり、自宅で安静を言われることも少なくありません。 出産の準備や育児用品の準備は早めにしておきたいですね。妊娠24週(妊娠7ヵ月の初め)頃までに準備を済ませておくと安心です。

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