空間認識能力とは?

空間認識能力は、自分の周囲の空間を把握し、理解する能力です。空間認識能力の高い子どもは動体視力や理解力などに優れていると考えられています。空間認識能力を上手に身につける事ができたら、普段の生活の様々な場面で役に立ちそうですね!子どもの可能性をさらに広げる空間認識能力について、ご紹介します。

空間認識能力とは?

空間にある物体の位置、大きさ、形、速度、方角、物体同士の位置関係などを、正確かつ素早く認識する力を「空間認識能力」といいます。空間認識能力が高いと、今の時点で実際に見えていないものでも頭の中で結び付けてイメージすることができます。例えば、地図を見るだけで空間的にイメージをして行き先にたどり着くことができます。人や物との距離や速さを瞬間的に把握できるので、ボールを使った運動の上達が早くなります、物との距離感が把握できるので、ぶつかってケガをしたり、事故にあう確率が低くなります。空間認識能力が高いと、普段の生活の多くの場面で能力が発揮されますね。また、絵や図を上手に描いたり、理数系科目の理解が早い、運動の上達が早い、などのほか、運転技術が高い、事故にあいにくい、物事のプロセスや手順を素早く考えられる、などのメリットがあります。

年齢別、空間認識能力の発達過程

空間認識能力は年齢とともに発達していきます。一般的に、空間認識能力は3歳から5歳の幼児期に特に伸びると考えられています。年齢別、空間認識能力の発達過程の目安を見ていきましょう。

✓ 0~2歳頃

2歳 頃までは視力の発達が未熟なので、距離感を測ることは難しいもの。両目を使って遠近を感じ始めるのが生後3~4ヵ月ごろ、距離感を測れるようになるのは3歳の終わり頃と言われています。この時期の赤ちゃんは、よく転んだりぶつかったりするので、常に注意してあげましょう。 ✓ 3~4歳頃

視力がかなり発達し、遠近感が分かるようになります。空間認識能力が少しずつ高まってくるのはこの頃からです。 ✓ 5~9歳頃

だんだんと空間認識能力が発達していき、物を立体的にとらえることができるようになります。速度の感覚も身についてきて、ボールを追いかけたり縄跳びをしたりするのが上手になります。

赤ちゃんや子どもの発達 のスピードはそれぞれですが、10歳を過ぎた頃には空間認知能力が完成すると言われています。算数の授業で立体図形や展開図などを学習するのもこの時期ですし、体育の授業で頻繁に球技が取り入れられるようになるのもこの時期です。

空間認識能力を鍛える方法は?

色々な場面で役に立つ空間認識能力。子どもたちに是非、身につけて欲しい能力です。一般的に、空間認識能力は3歳から5歳の幼児期に特に伸びるといわれています。では、空間認識能力を鍛える方法はあるのでしょうか。空間認識能力を鍛える科学的な方法はまだ確立されていないと言われていますが、ママパパができるサポートや効果的な遊びをご紹介します。

空間を意識した言葉を使う 大小、左右、前後、上下など、物体の位置や方向、サイズなどを具体的に示す言葉を積極的に使いましょう。「これをあそこに入れてね。」ではなく「小さい方のおもちゃを棚の一番上の本の左側に入れてね。」と言うように。ママパパの頭の体操にもなりそうですね。

一緒に図を描く 家から学校や幼稚園までの地図など、よく知っている道を図にしてみましょう。図を描きながらイメージすることで、抽象化の概念が身につくと言われています。

目を閉じたまま動く 物にぶつかったり壊したりしないよう気をつけながら、目を閉じて動いてみましょう。空間認識能力は、目を閉じて動いている時により活発に働くと言われています。

外遊び(鬼ごっこ、ジャングルジム、トランポリン、登山、フィールドアスレチックなど) 子どもたちはもともと外遊びが大好きです。鬼ごっこは、鬼との位置関係を意識することで距離を把握する力が身につきます。ジャングルジムでは高さの感覚が身につくと同時に、登ったりもぐったりくぐったりすることで、自分の姿勢をイメージする力が培われます。トランポリンで上下運動をしたり、空中で回転したりして遊ぶ経験を積み重ねることで、縦方向の空間を認識できるようになります。この他にも登山やフィールドアスレチックなどでは、周りの空間や障害物に注意を向けるようになります。子どもと一緒に、ママパパも一緒に外でたくさん遊びましょう。

パズル 形を意識したり、確認しながらピースを当てはめていくパズルやブロックは、手先の巧緻性を高める効果があります。

ブロック・積み木 形を意識したり、完成した形をイメージしながら形を組み合わせていく作業が、空間認識能力を高めると言われています。最初はママパパがお手本を見せ、だんだんと一人で作れるようにサポートしましょう。

おり紙 四角形の平面的な紙を自由に折ることで、立体的な作品ができあがります。ブロックやパズルと違い、作品の形を自由に変えることができるので、創造力や空間認識能力を鍛えることができます。

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空間認識能力を活かせる職業は?

空間認識能力は、運動、芸術、学習など幅広い分野で活用できる能力です。空間認識能力が高いと、将来の職業選択の幅も拡がると言えます。空間認識能力が高いと、スポーツ選手やアーティスト、服飾デザイナー、建築士、設計士、ゲームプログラマー、アニメーターなど、将来、様々な分野での活躍が期待できます。

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よくある質問

空間にある物体の位置、大きさ、形、速度、方角、物体同士の位置関係などを、正確かつ素早く認識する力のことです。

おわりに

最近注目をされるようになった「空間認識能力」。少し前の昭和の時代に生まれ育った子どもたちは、積み木やあやとり、公園の遊具や鬼ごっこなど、普段から立体的に遊んでいたので、日常生活の中でごく自然にこの能力を身につけていました。しかしながら現代の子どもたちは、スマホやタブレットを使った平面的なゲームや動画視聴に時間を費やし立体的な遊びが少なくなったので、空間認識能力が昔の子ども達より低いと言われています。小学校でも空間図形や展開図を理解できないまま卒業を迎える生徒がおり、空間認識能力の低下、空間認識能力を鍛える機会や手段の少なさが問題になっています。上でも述べた通り、この能力を鍛えるのに特別な道具はいりません。日常生活の中で空間を意識した言葉を使ったり、外で思いっきり遊んだりすることで、身についていくものです。今日から少しずつ空間を意識した生活を送ってみましょう!

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