マタニティブルーとは?
待ちに待った赤ちゃんが生まれました。でも、赤ちゃんを可愛いと思えない、赤ちゃんを抱いても幸せに感じない。赤ちゃんが生まれて嬉しいどころか、悲しい、楽しくない、不安ばかりを感じる、人と会いたくない、涙が出てきてしまう。このような症状が出てきたら、それはマタニティブルーかもしれません。マタニティブルーの症状は?マタニティブルーになる原因は?多くのママが経験する出産後のマタニティブルーについて見ていきましょう。
マタニティブルーとは
妊娠期間中に出産や育児に対する不安やストレスで眠れなくなる、食欲がなくなるなどの心や体の変化を経験したママは多いでしょう。実はこのような症状は、出産後にも出てくることがあります。赤ちゃんが生まれて幸せな気分になるはずなのに、赤ちゃんに愛情がわかない、気持ちが落ち込む、イライラする、涙が止まらない、不安やストレスを感じる、などの症状です。このような症状が出てきたら、それはマタニティブルーかもしれません。疲れやすい、集中力がなくなる、食欲がない、眠れない、怖い夢を見てしまうなどの症状もマタニティブルーの可能性があります。
日本では、出産後のママの25~50%がマタニティブルーを経験すると言われています。個人差はあるものの、誰でもマタニティブルーになる可能性があることを知っておきましょう。
マタニティブルーの症状
マタニティブルーの症状は多くの場合は一過性のもので、産後1~2週間程度で自然に消えていきます。特に治療する必要はなく、心配することもありません。では、マタニティブルーの症状はどのようなものなのでしょう?出産後のママがよく経験する、マタニティブルーの症状を下にまとめました。
周りに対する興味がなくなる
喜びが感じられない、気分が沈む
不安や緊張を感じる
思考力が落ちたり、集中力がなくなる
不眠になる
罪悪感を抱いて自分を責める、
自分がまったく価値のない人間だと感じる
死にたくなったり、自分を傷つけたくなったりする
涙もろくなる
イライラする、怒りっぽくなる
頭痛がする
子育てに非常に不安を感じる
マタニティブルーと産後うつの違い
マタニティブルーの症状は一時的なもので、産後1~2週間もすると、自然に症状が落ち着いてくるので、特に治療の必要はありません。但し、2週間以上たっても心身の調子が改善しない、産後4週間以上経つのにまだ症状が強く出ている、などの場合は、「産後うつ」と呼ばれる病気の心配があります。無理をしたり、頑張ったりしないで、かかりつけのお医者さん、または精神科や心療内科のお医者さん、助産師さん、保健師さんに相談して、早めに診てもらうようにしましょう。重症の産後うつは病気なので、専門家の受診と薬による治療が必要です。
マタニティブルーはいつからはじまる?
マタニティブルーの症状は、出産直後から数日間以内に見られるようになります。通常、産後3~5日に不安定な状態がピークとなります。但し、これらの症状は一時的なものです。1~2週間もするとホルモンバランスが妊娠前の状態に戻り、精神的に落ち着いてくるので、自然と症状は消えていきます。マタニティブルーの場合、特に治療は必要ありません。家族や周りの人達に家事や赤ちゃんのお世話を協力してもらって、ゆっくり休みましょう。マタニティブルーの症状が続くようであれば、早めに助産師さんやかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
マタニティブルーの原因
マタニティブルーになる原因はあるのでしょうか?マタニティブルーの原因ははっきりとは判っていませんが、妊娠や出産に関わる女性ホルモンの変化、妊娠や出産と言う人生の大きなイベントを終えた後の気持ちの変化、出産による心身や環境の変化、自分が考えているように赤ちゃんのお世話が上手にできない、などの不安やストレスが原因だと考えられています。
通常、出産後1~2週間もすると、女性ホルモンの変化が落ちついてきて、自然に症状が消えていくことがほとんどです。治療も特に必要ありません。いずれにしても、マタニティブルーは決して珍しいことではなく、多くのママが産後にマタニティブルーを経験していることを覚えておきましょう。マタニティブルーを引き起こす要因を下にまとめました。
妊娠や出産に関連した女性ホルモンの変化
妊娠中、ママは大きな身体の変化を経験します。大きな変化の中にホルモンバランスの急激な変化があります。ホルモンは妊娠中だけでなく産後の生活にも大きく影響してきます。妊娠初期から出産まで増えていたエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが、出産後に急激になくなるので、自律神経系に影響を及ぼし身体のホルモンバランスが崩れてしまいます。
妊娠・出産時の心身や環境の変化
妊娠や出産時の心身や環境の変化がマタニティブルーを発症させることがあります。妊娠中はつわり、おっぱいやお腹が大きくなるなど、身体に多くの変化が現れます。さらに出産に関連する今後の金銭的な不安、育児に対する不安や緊張感が重なることで感情が不安定になることが原因とも考えられています。特に初めての子育ての場合には「しっかりとお世話をして、良いママにならなければ」と頑張りすぎて、強いプレッシャーを感じることがあるでしょう。何事も一人で頑張り過ぎてしまうタイプや、周りへ頼ることができないタイプの人ほどマタニティブルーの症状が現れやすいと言えるでしょう。
妊娠時の体力低下や睡眠不足
妊娠や出産は人生の大きなイベントであり、女性にとっては大仕事です。妊娠期間中や産後の環境の変化、睡眠不足や疲れが原因でマタニティブルーになることがあります。特に初めての子育ての場合、出産の疲れが取れない環境で、夜中の授乳やおむつ替え、夜泣きなどの赤ちゃんのお世話はとても疲れますね。
まとめ 日本では出産後のママの25~50%がマタニティブルーの症状を経験すると言われています。個人差はありますが、誰でもマタニティブルーになる可能性があるのです。妊娠期間中や出産後の急激なホルモンの変化、出産後の環境の変化による不安やストレスがマタニティブルーの原因だと考えられています。 マタニティブルーの症状は一過性のもので、ホルモンバランスも産後1~2週間で妊娠前の状態に戻り、精神的にも落ち着いてくるのが普通です。但し、これらの症状が続くようであれば、助産師さんやかかりつけのお医者さんに相談してみましょう!きっとよいアドバイスがもらえるはずです。 |
マタニティブルーになりやすい人の特徴
マタニティブルーになりやすい人の特徴はあるのでしょうか?妊娠期間中と出産後はホルモンの急激な変化があります。誰でもなる可能性はありますが、ホルモンバランスの影響が大きいので、その変化の影響を受けやすい人ほど、マタニティブルーになりやすいと考えられています。PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)を経験した人や、妊娠中に気持ちや感情の浮き沈みを感じやすかったママもマタニティブルーになる心配があるので、注意が必要です。また、真面目で一人で頑張ってしまう性格のママ、パパの帰りが遅い家庭のママがマタニティブルーになることも多いです。一人で頑張るのではなく周りの家族やお友達のサポートを受けたり、お医者さんや保健センター、助産師さんに相談したりしましょう。
マタニティブルーセルフチェックリスト
もしかして、私はマタニティブルー?いつもの自分とはちょっと違う、感じたら、セルフチェックをしてみましょう。下の項目にあてはまるものが多ければ、マタニティブルーの可能性があります。
気持ちの浮き沈みが激しく、自分の気持ちのコントロールが難しい
疲れやすい、体調が悪いと感じる
何も理由がないのに悲しくなり、泣いてしまうことがある
出産後の生活に強い不安や絶望感を感じる
赤ちゃんを可愛いと思えない
外出や人に会うことが面倒に思える
頭痛や不眠の症状がある
当てはまる項目が多い程、マタニティブルーの可能性があります。マタニティブルーは、初期の症状のうちに対応をしておくことが大切です。
マタニティブルーの乗り越え方
家事ややるべきことが上手にできない、母乳が出ないストレス、赤ちゃんが泣きやまない、などの子育ての悩みや自己嫌悪の感情がマタニティブルーを悪化させてしまいます。
一番大切なことは、何もかも自分一人だけでやろうと思わないこと。ママには赤ちゃんのお世話と言うとても大切な役割があります。産後のママには、周りの協力が欠かせません。
子育てには多くの人の協力が必要です。悩みがあれば、一人だけで抱え込まないようにしましょう。家族や友達に相談することで、いい気分転換になるでしょう。天気が良ければ、外の空気を吸いながら少し散歩をしてみましょう。住んでいる地域の保健センターや保健師さんも強い味方です。子育てについて不安や気になることがあれば、恥ずかしがらないで、気軽に相談してみましょう。マタニティブルーを乗り切る方法を下にご紹介します。
感情を口にしてみる
泣きたいときは思いっきり、声を出して泣きましょう。辛いことや不安を一人でため込まないで、周りの家族、出産経験のある友人やママ友に話を聞いてもらいましょう。
睡眠時間をしっかり確保する
赤ちゃんのお世話や家のことを完璧にすることは無理です。休める時に体を休めて、ほどほどを心がけましょう。赤ちゃんの生活リズムに合わせて、1日を過ごしてみてください。赤ちゃんが寝たら一緒に寝るようにして、休める時にしっかり休みましょう。
運動を心がける
散歩やストレッチといった体の負担にならない程度の軽い運動をしてみるのもいいでしょう。 体を動かすことで気分転換になり、よく眠れますし、ストレス解消にもつながります。
マタニティブルーはパートナーにも起きる?
産後のママの約半数が経験するとも言われるマタニティブルー。ママだけでなく、パパも憂鬱な気持ちになるということが最近の調査で判ってきました。パパの10%がマタニティブルーのような症状を経験すると言われています。
パパの場合は、生活環境の変化によるものが大きいと考えられています。ママと違って妊娠期間中に心の準備をするわけではないので、急激な環境の変化についていくことができません。慣れない育児への不安や経済的な不安、父親になると言う不安や責任感、自分だけの時間がなくなる、などの不安な状況に陥ってしまいます。さらにママは赤ちゃんのお世話で疲れていて、パパにかまう余裕もないでしょう。このような状況で孤立感を感じてしまい、パパにマタニティブルーの症状が現れることがあります。
よくある質問
通常、出産後1~2週間もすると、マタニティブルーの症状は自然に消えていくことがほとんどです。特別な治療も必要ありません。
まとめ
妊娠や出産は女性にとって人生の大きなイベントです。妊娠期間中の環境や身体の変化、出産への不安やストレスや産後の急激なホルモン変化がマタニティブルーの原因と考えられています。個人差はありますが、誰でもマタニティブルーになる可能性があります。
もしかして、マタニティブルーかも?そのように感じたら、とにかく早く周りに相談しましょう。産後のサポートは出産した施設だけでなく、多くの市町村でも様々な事業を展開しています。自分に合ったサポートを上手に利用して周りの協力を得ながら、完璧を目指さない子育てを楽しみましょう。
本記事の内容について 本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。また、掲載された内容につきましては十分な注意を致しておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。 診断や治療法につきましては、必ず 医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。