分娩の段階

初産では陣痛発来から出産まで14時間ほどかかります。20時間以上もかかる女性も短時間の方もいます。妊娠中は運動不足から体力は落ちていくでしょう。 妊娠期間中 は栄養バランスの取れた食生活を取り、睡眠を十分に取って疲れをためず、体力が落ちないように心がけていきましょう。

妊娠に関する書物や出産クラスなどでは、分娩時期を厳密に 三期に分けています。 初産では陣痛発来から出産まで(分娩第一期と第二期)おもに14時間ほどかかります。 20時間以上かけてお産をする人が多い一方で、14時間以下と短時間の人もいます。 経産婦の平均は約8時間となっています。 

  • 分娩第一期

  • 分娩第二期

  • 分娩第三期

分娩第一期

分娩第一期では子宮口が10センチまで広がります。 初期は子宮口が膣部展退して5センチまで広がり、分娩に向けて準備をしています。 この段階では、まだ家で普通に生活し、散歩したり、ビデオを観たり、お風呂に入ったり、お昼寝をすることもできます。 この段階は12時間から14時間続きますが、二人目以降の赤ちゃんの場合は短くなることがほとんどです。 通常、この段階の収縮は定期的で強いものですが、個人差があります(妊婦の中には、初期の収縮に気が付かないまま分娩に臨んでしまう人もいます)。

収縮が強まり、間隔も短くなると、医師に入院するように言われます。 この時期には、子宮口の拡張と展退が早まり8センチまで広がります。 収縮はさらに頻繁に起きるようになり、激しさを増します(34分ごとになり、40秒60秒続きます)。 この時期は、すぐに終わる人も6時間かかる人もいてさまざまです。 まだ破水していない場合は、この時点で医師が卵膜を破ることもあります。

無痛分娩を選んだ人は、硬膜外麻酔を受けます。 骨盤に圧力は感じても痛みは感じません。麻酔時は横になる必要があります。 

自然分娩の人は、陣痛が始まります。 この時点では、呼吸法やリラクゼーションテクニックが、良いお産をするのに重要となります。 母子ともに問題なければ、位置を変えたり部屋を歩いたりして、重力の利用によって陣痛を和らげましょう。 温かいお風呂に入ったり、シャワーを浴びるのも良いアイデアです。温水は出産の痛みを和らげてくれます。 子宮口が5、6センチ開いた状態でお風呂に入ってリラックスし、1時間後に子宮口が完全に開く、ということも珍しいことではありません。 

その後、子宮口が15分に約1センチの割合で、10センチまで広がります。 収縮は1分から1分半続き、間隔は23分になります。 ありがたいことにこの時期は早く過ぎます。15分2時間かかると思ってください。 

もし硬膜外麻酔をしていても、圧迫感が強くなるのを感じます。 自然分娩であれば、収縮が強烈で震えや吐き気があることもあり、これが陣痛のピークです。 この段階があまりに強烈なので、多くの人が「体外浮遊体験をしているようだった」と言います。 

分娩第二期

子宮口が 10 センチまで広がると、分娩第二期が始まります。いよいよ赤ちゃんを出産するのです。 拡張した子宮口を通って赤ちゃんが膣内に娩出されます。これは衝撃的な体験です。 この時期には、収縮を感じて無意識にいきんでいることでしょう。 硬膜外麻酔を施された人は、いきむタイミングを教えてもらいます。担当の看護師や助産師の腕の見せ所です。 

この段階は数分の人もいますし、3時間以上続く人もいます。 経産婦は数分ということが多いようです。 2、3分ごとの収縮が60 秒90秒続くのが特徴で、これが3時間以上続きます。 

硬膜外麻酔を受けている場合も、ここまで来ると、いきまなければ、という気持ちになります。医師、助産師、看護師が、いついきんで、いつ休むかというタイミングを教えてくれます。

この間に震えや吐き気などの激しい感覚にみまわれることもありますが、同時にようやく終わる、という安心感もあります。 出産の経過がどうであれ、赤ちゃんが体外に出たとき、あるいは初めて胸に抱いたときに真の恍惚感を感じるでしょう。 

分娩第三期

分娩第三期では胎盤が出ます。 赤ちゃんが出た後、数分するとまた収縮が5分間隔で続きますが、今度はそんなに強くはありません。 この収縮で胎盤が子宮から剥がれ、それを取り囲む卵膜とともに外に娩出されます。 医師や助産師が、子宮の検査をし、胎盤が剥がれた箇所からの出血が止まったかどうかと、子宮が収縮する確認をします。 

胎盤の娩出には5~10分かかります。 その後1時間ほどの間に、医師や助産師が診察して、産道の裂傷や会陰切開部の縫合など適切な処置が行われます。 

この時、お母さんの関心はすでに赤ちゃんにすっかり移っていることでしょう。 特に硬膜外麻酔をした人は、膣部の状態が気になることはあまりないでしょう。 出産の直後に、アドレナリンや身体の調整による震えがある場合もあります。 また、子宮収縮が周期的に起るので産後の痛みがかなり強い人もいます。再び陣痛が起っているように感じるかもしれません。この産後の痛み、後陣痛は数日続きますが、産後 1 日目がピークです。痛みが強すぎる場合には、鎮痛剤を処方してもらいましょう。

どんな痛みも、赤ちゃんを抱いた瞬間に吹き飛んでしまいますよ!

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