生後9ヵ月の赤ちゃん: 手づかみでモグモグ
赤ちゃんはさらに活発になってきました。もう、ハイハイができるようになった頃でしょうか?ママもパパも赤ちゃんの体や心の成長をとても誇らしく思っているでしょう。でも、赤ちゃんの成長はこれで終わりではありません。生後9ヵ月の赤ちゃんにはもっともっとワクワクすることがあります。離乳食をさらに食べるようになるだけではなく、指を上手に動かすことができるようにもなります。生後9ヵ月の赤ちゃんの発達の目安、食事や睡眠の習慣についてさらに詳しくみていきましょう。
生後9ヵ月の赤ちゃんの成長
この時期になると、ママやパパは赤ちゃんがどれだけ楽しく遊んでいるか分かりますね。赤ちゃんにとって、ママやパパとの遊びは格別です!ママもパパも生後9ヵ月の赤ちゃんの成長と変化に驚いているはず。生後9ヵ月の赤ちゃんによく見られる成長の節目をいくつかみていきましょう。
生後9ヵ月の赤ちゃんの成長と体の発達: 赤ちゃんのお腹がぽこんとでてきた?
赤ちゃんの発達には個人差があります。乳児後期健康診査(後期:生後9ヵ月から1歳のお誕生日の前日までの間)でお医者さんが赤ちゃんの体重 や身長、頭囲などをチェックして、赤ちゃんが順調に成長しているかを確認してくれるでしょう。(乳児後期健康診査は法定健診ではないので、自治体によって診査対象の月齢も変わってきます。近くの保健センターなどで日程を確認して受診しましょう。)
赤ちゃんがつかまり立ちを始めたら、赤ちゃんのお腹とお尻がぽこんと少し突き出てきたことに気がつくかもしれません。少し変な姿勢ですが、赤ちゃんの成長段階で見られる自然なことです。2歳 ぐらいになりバランスが上手にとれるようになったら、自然に治っていきます。
赤ちゃんの知覚・感覚:好きな香りを嗅がせてあげましょう
生後9ヵ月の赤ちゃんは全ての知覚と感覚を使って、周りの世界を学んでいきます。赤ちゃんの嗅覚の発達を促すには、色々な香りを嗅がせてあげるのが一番。例えば、外に出かけて摘み取ったお花や草の匂いを嗅がせてみましょう。冷蔵庫の食材の匂いを嗅がせてあげるのもよいですね。もちろん、安全なものだけを嗅がせるように気をつけてくださいね!
赤ちゃんの動き: 赤ちゃんに新しい経験を!
生後9ヵ月の赤ちゃんは好奇心が旺盛。ズリバイ やハイハイ で興味のあるものに向かって、ドンドン進んで行きます。また、お座りの姿勢から腹ばいになり、その姿勢からまたお座りの姿勢に戻ることができるようになっていきます。これらの動きで赤ちゃんは筋肉を鍛えて、歩く準備をしています。歩けるのはもうすぐ。ハイハイをしないで立ち上がる赤ちゃんもいれば、もう少し後でハイハイを始める赤ちゃんもいます。赤ちゃんの成長の過程には個人差があることを覚えておいてくださいね。
赤ちゃんの手と指の動きが発達してきます。例えば、赤ちゃんは離れたところにある何かを掴み、自分のほうに持ってくることができるようになります。指先が器用になり、物をつまんで持つ練習をしているのです。まだ上手にはできませんが、何かで遊んだり離乳食を手で掴んで口に入れたりしながら、指と手を器用に動かす練習をしているのです。また、赤ちゃんは何かを掴んだり、振ったり、叩いたり投げたりして、物が床に落ちる時の音を楽しむようになります。赤ちゃんが安心して指と手の練習ができるよう、安全で割れたりしないおもちゃを用意してあげましょう。
赤ちゃんの知覚・感覚: 人生は単純で面白い
赤ちゃんの集中力は非常に短いので2~3分で遊んでいるおもちゃに飽きてしまい、別のおもちゃを欲しがるようになるでしょう。でも、生後9ヵ月の赤ちゃんに新しいおもちゃを買い与える必要はありません。ヨーグルトの空き容器や、プラスティックのお皿など、お家にあるものを渡してあげればそれで十分。ヨーグルトの空き容器にボールを入れたり、プラスティックのお皿を何枚を重ねてみたり、これまで遊んでいたものに少しアレンジするだけで、喜んで遊んでくれるはずです。ここで見たことのない目新しいものを渡してしまうと、怖がることもあります。
赤ちゃんは鏡も大好き!これまで鏡に映っている「赤ちゃん」が「自分」とはわからず、別の赤ちゃんが映っているか、もしくは何かのトリックだと思っていたはずです。この時期の赤ちゃんは鏡に映るのは自分だと理解し、自分の姿に反応することができます。例えば、鏡を見ながら自分の髪の毛を1本つかんだり、自分のほっぺについた何かを手でこすり落としたりすることもできるようになります。赤ちゃんの前で鏡を見せてこの “自己認識” 能力を高めてあげましょう。鏡の前で赤ちゃんの体の部位を指して、各部位の名前を教えてあげたり、色んな顔の表情をして、ママパパが今どんな顔をしているか教えてあげても楽しいですね。
この時期の赤ちゃんはとても敏感なことを知っていますか? 生後9ヵ月の赤ちゃんは、ママパパの顔の表情から気持ちが読めると言われています。赤ちゃんが驚いて困ったりしないように負の感情はできるだけ顔に出さないようにして、 赤ちゃんには優しく笑顔で接してあげましょう。赤ちゃんは愛されていると感じることでとても安心するでしょう。
赤ちゃんの人見知り
生後6ヵ月頃から、ママパパ以外の人が近づいてくると機嫌が悪くなったり、怯えたような表情になる赤ちゃんがいます。いつも一番近くにいてお世話をしてくれるママパパとそれ以外の人との区別がつくようになったこと、親子が強く結びついた証拠です。嬉しいことですが、ママパパの姿が見えないと探して大泣きしたりすることも。でも、これは赤ちゃんが順調に成長していると言う証拠です。人見知りが始まると、後追いも始まりますが、後追いの程度には個人差があります。ママパパにとっては、赤ちゃんがどこにでもついて来ることがストレスに感じることもあるでしょう。でも、人見知りや後追いは赤ちゃんが成長していく上で大切な行動。もう少し大きくなれば、ママパパが戻ってくることを理解して待てるようになりますよ。
赤ちゃんから離れる時は、「待っていてね」と声をかけましょう。戻ってきたら、「上手にできたね」と声かけをして抱きしめてあげましょう。言葉は分からなくても、成長するにつれてママパパが戻ってくることを理解して、待てるようになります。赤ちゃんから離れる時は、お気に入りのおもちゃやぬいぐるみを渡したり、おんぶ紐を使って家のことをするのも良いアイデアですね。
赤ちゃんの成長をサポートしましょう
生後9ヵ月の赤ちゃんの成長や発達に役立つヒントや方法をまとめました。
赤ちゃんと一緒に床で遊びましょう。赤ちゃんがすでにハイハイをするのなら、枕、箱やクッションなどの障害物を床に置いて、ハイハイ障害物競走も楽しそうですね。
助け舟を出す前にちょっと待ってみましょう。赤ちゃんを助けてあげるのはどんな時?自分でやらせて学ばせるのはどんな時?この違いを知るのは難しいですね。例えば、赤ちゃんがおもちゃで遊んでいるとき、おもちゃが座布団やクッションの下に転がっていったら。こんな時、ママやパパは助けてあげますか?それとも、赤ちゃんが自分でおもちゃを取るまで待ちますか?赤ちゃんがイライラしているようなら、助けてあげるのも一つの手ですが、赤ちゃんが自分で取ろうとしていたら、ママパパは助け舟を出さずに自分で取らせてあげましょう。
自分の手を使って力の強さや方向などを調整できるような、安全なおもちゃを与えてみましょう。例えば、積み木、お風呂に浮くアヒルのおもちゃ、前にも後ろにも動かせる木製の列車などがおススメです。
別の赤ちゃんやその赤ちゃんのご両親に会う機会を作ってみましょう。知らない人たちに会うと初めのうちはちょっと驚くかもしれませんが、よい刺激になります。
生後9ヵ月の赤ちゃんの食事
食事の中心は離乳食に移っていきます。生後9ヵ月になったら、1日3回食に進めていきましょう。母乳やミルクだけでは、鉄分が不足して栄養不足になりやすくなります。ほうれんそう、ひじき、赤身魚や肉など、鉄分を多く含む食品を積極的に離乳食に取り入れましょう。
生後9ヵ月になると、自分の手を使って食べようとする赤ちゃんもいます。やる気を応援するために、手づかみで食べられるようなものを出してあげましょう。蒸した野菜や柔らかいバナナがおススメです。小さな離乳食用スプーンにヨーグルトを少し乗せて赤ちゃんに渡したら、もう自分でスプーンを口に持って行くかもしれませんよ。赤ちゃんが自分で離乳食を食べる時、テーブルや床にこぼすこともありますが、最初から上手に食べることはできません。必ずママやパパが側についていてくださいね。また、離乳食 をあげる時は歯ぐきでつぶせる固さのぐらいに柔らかくしたものを少量ずつあげるようにしてください。この時期の赤ちゃんは噛まずに呑み込んでしまうので、一度に大量に口に入れると、のどを詰まらせてしまう可能性もあります。気をつけましょう。
生後9ヵ月になったら、1日3回食に進めていきましょう。離乳食後に母乳は欲しがるだけ、ミルクは1日2回を目安にしましょう。生後9ヵ月の赤ちゃんにはどのような離乳食や食材をどれだけ与えたらいいのでしょう?以下を参考にしてみましょう。
生後9ヵ月の赤ちゃんの睡眠時間は?
生後9ヵ月の赤ちゃんは午前と午後1回ずつのお昼寝を併せて、平均して1日10~12時間ほど眠るとされています。もちろん、個人差があるので、眠らない赤ちゃんもいます。この時期になると、夜間授乳がいらなくなる赤ちゃんもいるかもしれません。でも、ママパパを探して夜中に起きてしまうことがあります。自分の指をしゃぶったり、毛布のような抱き心地の良いものに抱きついたりすることもあるでしょう。赤ちゃんが泣きだしたら、まずは赤ちゃんの側に行って安心させてあげましょう。赤ちゃんがどうしてぐずっているのか、調子が悪くないかも必ずチェックしましょう。もし何の問題もいのであれば、電気を点けるのはやめましょう。大切なのは、必要な時にママやパパはいつも赤ちゃんの側にいることを穏やかに教えてあげること。すると赤ちゃんは心配することなく、安心して眠りにつくことができるでしょう。
生後9ヵ月の赤ちゃんの生活スケジュール
生後9ヵ月の赤ちゃんの1日は、睡眠や食事、お風呂や遊びからなります。生後9ヵ月の赤ちゃんの1日の例を見てみましょう。
赤ちゃんの健康: 太陽の下で楽しく安全に遊びましょう!
暖かくなってきたら赤ちゃんと一緒に外に出てみましょう。でも、日焼けは赤ちゃんの肌には大敵 。太陽の光を長時間浴び続けることは、赤ちゃんの肌にダメージを与える可能性があります。寒い時期にも紫外線が強い日があります。季節を問わずおススメの赤ちゃんの日焼け対策をまとめました。
最も日が強い時間帯、午前10時~午後4時の間は直射日光を避けましょう。
軽いコットン素材の服を着せて、赤ちゃんの肌を守りましょう。長袖や長ズボンを着せると、紫外線から肌を守ることができます。
外で遊ぶときはつばの広い帽子をかぶせてください。散歩をする時には赤ちゃんに日が当たらないようにベビーカーの日よけを使いましょう。
今は、赤ちゃんのお肌にも使える日焼け止めが最近たくさん販売されています。外出前にSPF 30程度の日焼け止めクリームを塗ってあげましょう。クリームは2時間程度で塗り直すのが理想ですが、クリームによっては1日〇回までというのもあります。使用方法を確認してください。
赤ちゃんがうっかり日焼けしてしまったら?冷たいタオルを日焼けしてしまった部分にあてて、その後はベビーローションやベビークリームで保湿ケアをしてあげましょう。水ぶくれの症状が出てきた場合には治療が必要となることもありますので、小児科の先生に診てもらいましょう。赤ちゃんの日焼け対策や肌のケア対策のほかに、百日咳や中耳炎などのこの時期の赤ちゃんがよくかかる病気をまとめました。
百日咳:百日咳 は細菌が原因の上気道感染症の病気です。 短い咳が断続的に起こり、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出てきます。赤ちゃん、小さい子供や大人でもかかってしまうことがあります。赤ちゃんが咳をしてぐったりしている場合、大至急、お医者さんに診てもらうようにしましょう。咳こんで息ができずに苦しそうにしていたり、唇や指先が青みがかっていたり、咳込んだ後によだれを垂らしたり嘔吐の症状があるときも、出来る限り早くお医者さんを受診し、指示に従ってしっかりと治療しましょう。
中耳炎:0~2歳の間に約7割の赤ちゃんが中耳炎にかかると言われています。9か月の赤ちゃんはママやパパに耳が痛いと上手に伝えることはできませんが、何らかのサインを見せるはずです。母乳やミルクを吸ったり呑み込む時に耳が痛んで泣く、眠れなかったり熱が出てくる、聞こえづらそうにしているなどの症状が現れたら要注意です。中耳炎は寒い時期にかかりやすい病気です。中耳炎になったかな、と心配な時はお医者さんに相談しましょう。症状によりお医者さんが抗生物質などを処方して治療を行ってくれるでしょう。抗生物質を処方された場合は、症状が良くなったからと言って途中で飲むのをやめずに最後まで飲み切りましょう。
よくある質問
生後9ヵ月の赤ちゃんに必要な栄養の半分は離乳食から、もう半分はママの母乳や粉ミルクからが理想です。この時期の赤ちゃんにおススメの離乳食は以下の通りです。
- ピューレ状にした果物や野菜
- 蒸した小さな野菜
- バナナ(スプーンでつぶしながら与える)
- おかゆ(5倍がゆ)
- 小さなパン
- 小さな鶏肉
- スクランブルエッグ
- ヨーグルト
- 離乳食用のおやきなど
親として:赤ちゃんと一緒に旅行を計画
家族で旅行に行ってみたいですか?でも、赤ちゃんと一緒の旅行は少し不安?大丈夫です。赤ちゃん連れの旅行を成功させるアドバイスをまとめました。
ゆっくり過ごせる、安全な目的地を選びましょう。過去にママやパパが行った場所や行って良かった場所もおススメです。
スケジュールを詰め込まないようにしましょう。どちらかと言うとのんびりゆっくりできるプランがおすすめです。
赤ちゃんが寝る時のことも頭に入れておきましょう。赤ちゃん用の簡易布団などを持っていく場合は、一度お家で寝かせて慣れさせておきましょう。
旅行先でもなるべく普段と同じスケジュールで、赤ちゃんが安心できる環境を作ってあげましょう。赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを忘れずに。
ふんわり厚手シートで赤ちゃんの肌にやさしいおしりふき をたくさん持って行きましょう。ショッピングセンターなどの公共の場所で赤ちゃんのおむつを交換するベッドをきれいに拭き取ることもできますね。
赤ちゃん連れの旅行のアドバイス を参考にしてくださいね。赤ちゃんと一緒の旅行には何を持って行きましょうか?服、水や食べ物、そしてパンパースのおむつ をお忘れなく!
飛行機に乗る場合は、赤ちゃんとの空の旅 を参考にして、楽しい空の旅を楽しみましょう。
ママパパはリラックスして気楽に構えていましょう。 そんなママパパを見て、赤ちゃんもリラックスして旅行を楽しんでくれるはずです。
生後9ヵ月のチェックリスト
まだ8~9ヵ月健診を受けていなければ、受けることをおすすめします。(8-9ヵ月健診は法定健診ではないので、自治体からの健診通知は届かないことが多いです。お近くの保健センターなどで日程を確認して受診しましょう。)健診で小児科の先生は、赤ちゃんの食事の量や睡眠時間が十分であるか、成長や発達の目安などを確認します。また、お医者さんは親としてのママパパの生活態度をチェックし、赤ちゃんの成長や発達をサポートするためのアドバイスをくれるでしょう。わからないことや、不安なことがあれば、この機会を利用して先生にどんどん質問しましょう。
お家での安全対策:生後9ヵ月かもう少ししたら赤ちゃんはつかまり立ちを始めるでしょう。赤ちゃんの腕の筋肉は足の筋肉より強く、お家の家具などにつかまって立ち上がることもあります。つかまった際に家具が動いたり、倒れたりすることのないように、早めの対策を取りましょう。
ベビーベッドでつかまり立ちした赤ちゃんが柵から落ちてしまわないように、マットレスはできるだけ下の段に取り付けましょう。これは赤ちゃんが立ち上がるまでにやっておきましょう。
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生後10ヵ月の赤ちゃん にはどんなワクワクすることが起こるのでしょう?成長や発達の目安を知り万全の対策を取っておきましょう。
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